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十パラ!エロは無いけど…!
やな夢見ちゃったパラ様を慰める十代の妄想を受信したので…。
よろしければタイトルからお願いします。
やな夢見ちゃったパラ様を慰める十代の妄想を受信したので…。
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荒廃した街、破壊されつくしたビルの山、山…。
一番高く残った廃墟に立ち尽くす人影、それは自分のものだとパラドックスは気付いた。
自分以外に動くものの無い世界、この瓦礫の下に何十万という亡骸が埋もれている。
以前、ここに普通に生活していた者たちの、奪い去られた罪も無い清らな魂の上に立つ己の体。
まったくもって吐き気がする。人の命の上に立つということの恐ろしさよ。
せりあがる嘔吐感をかみ殺しながら、現実をまざまざと目に焼き付ける。
どうしたらこの状況を変えられるのか、ずっとずっと考えていた。
いつ倒壊してもおかしくない図書館にもぐりこみ、朝から晩まで文献を攫った。
10万冊の本の殆どに目を通したが、現状から事態を打破する有効な手はなかった。
――――――――残された道は、過去の軌跡を修正する道のみ。
逃げと謗られるかもしれない。
だがもう残されたのは逃げの一手と取られてもしょうがないこの道のみ。
許されたいとは思わない。それだけのことをしでかしているのだから。
ならばせめて、過去を捻じ曲げてでも、世界を取り戻したい。
目的のためならば、冷淡にもなろう、冷酷にもなろう。
どんな犠牲を払おうとも、想像を絶するほどの苦痛をもってしても。
咎なら後で受けよう、そのために命を失っても惜しくは無い。
哀しみと後悔をこの仮面に秘めて。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「……パラドックス?」
十代はふと足を止めた。
そこには大きめのソファがあり、そこには大柄な青年がゆったりと腰掛けていた。
全体重を預けた彼は、規則的な吐息をついていて。
傍目にみて眠っているのだろうということが予想できた。
パラドックスがこんなところで居眠りなんて珍しい。
彼ときたら自分とは違い居眠りなんか言語道断、いつも布団に入るまできっちりと起きている様な人間だ。
気になって、ゆっくりと近づく少年。
好奇心にそって、豊かな金の髪に隠れていた美しい顔を覗き込んだ。
相変わらず整った顔、パーツがきっかり正確にはまっていると言う感じだ。
切れ長の目は伏せられ、いつもの鋭い視線は感じられない。
唇は少し開かれ仄かなエロさを含んで。
まだ日も高いうちから、何だかムラムラと性欲が鎌首をもたげそうになる。
この年頃の男の子にはよくある生理現象だ。
ごくり、と生唾を飲む十代。
だがそれもすぐに引っ込んでしまった。
……………柔らな頬には幾筋の水滴が零れていたからだ。
少年は思わず目をまん丸にする。
大人が泣くのなんて見たこと無かった。
特にパラドックスは強い自制心を持っているのを知っている。だから余計に驚いた。
にじにじと、体操座りのまま静かに忍び寄る。
凝視されている当人は、その姿に気付かない。
「泣いてんのか?なあ…」
小さな声で尋ねてみる。
しかしやはり眠っているのだろう、青年からの答えは無い。
一体何が悲しいのだろう、何が辛いのだろう。
何を思って泣いているのだろう、悪い夢でも見たのだろうか。
色々な憶測が頭の中に飛び交う。
彼の抱えているものを、自分は知らない。
聞いてもはぐらかされてそれまでで。
十代はそっと手を伸ばす。
金色の細い髪をさらさらと撫でた。
普段ならすぐに文句を言われるが、今日は意識がお留守なのか反撃はなく。
こんな無防備なパラドックスは見たことがなくて、胸がぎゅうと締め付けられる。
辛いなら辛いといえばいいのに、苦しいなら苦しいと訴えればいいのに。
こんな風に一人で泣いてしまうのなら、八つ当たりでもすればいいのに。
「ばかだなあ、パラドックス。」
ふにゃり、と少年は笑って呟いた。
声に気付いたのか、瞑られた目がゆっくりと解かれる。
「うお、起きた。」
怒られるのはごめんとばかりに、伸ばしていた手を引き戻す。
起き抜けの青年はまだ視界が定まらないのか、ぼーっと目の前の赤い豆粒を眺めた。
涙にうるんだ瞳、どこかあどけなさを含んでいつもと違う印象を覚える。
「……どうしたのかね、遊城十代。」
微かに嗄れた声で囁く。吐息交じりの程よい甘さの声だ。
ほたほたと頬に垂れた涙が、動きに合わせて雫を伝わす。
だが、まだ青年は気付いていないようで。いつもと変わらぬクールさを演出して。
そのアンバランスさが、何とも愛おしい。
十代は不覚にも吹きだしてしまった。
起き抜けに笑われては、流石のパラドックスも機嫌を損ねる。
「なにかね、急に笑い出して。」
むっすーと眉間にしわを寄せて不機嫌をあらわす。
寝起きはちょっとばかし表情が豊かだ、初めて知ることに嬉しくなる。
わりい、と軽く謝りながら、やおら膝の上に馬乗りになる。
突然の行動は十代にはよくあることだが、膝の上に乗られるなど予測できるわけもなく。
当然のことながら、きょとと目を見開いた。
だが、彼を驚かせる行動はそれだけにとどまらない。
優しくこめかみに両の手を差し込み、パラドックスの髪をかき上げた。
白い肌が明かりに照らされる。
頬の涙は白熱灯の光を受けて、まるで真珠のようにキラキラと輝いた。
誘われるように、少年は頬に唇を寄せた。
熱い舌が、冷えた肌を滑る。
ざりざりとした舌の突起が肌を舐め、球のような涙をすくっていく。
自分がないていたことを知らない青年は、何故自分が頬を舐められたのかなどわかるはずもなく。
目を見開いてたじろぐしかない。
「な…っ」
「しょっぺ。」
右から左へと唇を動かしながら、十代は囁く。
再び熱い舌が肌を沿う。
何度も何度も往復して涙をすくう舌。
普段そこに感じない感触にむずがゆさを覚えるが、あまりにも真剣な彼を見ては無碍に振りほどくことも出来ず。
満足するまでただじっと待つしかないパラドックスだった。
最期の一滴までこぼさず掬い取って。
ゆっくりと少年は顔を離した。
「…一体何を…。」
「やっぱ気付いてなかったんだなー。…泣いてたんだぞ?」
十代の行動を諌めようと声を上げたが、二の句を次ぐ前に当人の言葉に吸い込まれ消えてしまった。
こつんと額をあわせて笑う少年、いたずらっぽさを刻んだあどけない顔がすぐ近くで微笑んでいた。
『泣いていた』という言葉を聞いて、ぽかんと口を開く。
が、その言葉の意味を理解するや、慌てて頬をむちゃくちゃに擦り始めた。
自分が泣いていた、だなんて。
しかもそれを十代に見られていただなんて。
顔が熱くなって、羞恥で髪の毛が逆立つような錯覚を覚える。
乱暴に擦る手が頬を痛いほどにこする。
さっき散々に舐めとかされたために、そこに雫が残っているはずは無い。
こするのは己の矜持を保つためだ。
「ばかな……っ」
真っ赤になったまま、独り言ともつかない声を上げるパラドックス。
動揺は思ったよりも心を揺さぶり、いつもの冷静さを取り戻せずにいた。
ガラにもなく泡食う青年を見て、何だか秘密を知ったような気がして嬉しくなる。
くすくすと笑いながら、子供にするように頭をなでた。
「パラドックス、かわいい。」
「…っ藪から棒に、からかっているのかね。」
自尊心をつつかれて、立つ瀬の無い青年は口を微かにへの字に曲げる。
そんな拗ねたような仕草もかわいくて、思わず頬が緩む。
両手を首の横からめぐらせて、ぎゅっと体を密着させた。
体を重ねるのは、愛を伝えるのに一番有効で確実な手だ。
「十代…?」
「なあ、俺の顔。見えるか?」
戸惑った耳に囁かれる、面白がったような声。
謎かけのような言葉にパラドックスは困惑する。
こんな風に抱き合えばお互いの顔が見えるわけが無い。
からかっているのか、なんなのか。
「見えるわけが無いだろう。」
当然のことを答える。
予想の範囲内の答えが戻り、「だよな~」とあっけらかんとした返事が投げかけられる。
ふかふかと柔らかい髪に顔をうずめ、十代は大きく息を吸う。
甘いような、それでいて厳しい香りが鼻腔をくすぐる。
まるで「パラドックス」その人をあらわしているような香りに、安心して顔をこすり付ける。
擦り付けられている本人は、何だか猫にマーキングされているような気分に陥り、何ともいえないようだ。
ふう、と大きく息を吐いて。抱きついた少年はぽつぽつと言葉をこぼした。
「それって、誰もいないのと同じって思えないか?
……一人で泣くくらいなら、俺のさ、なんてんだろ…、その……だから!俺のいるとこで泣けよな!」
ちょっとだけ、大人びたような言葉。
無理やり難しい言葉を使おうとしたのだろう。だが、語尾はやけっぱちのような勢い任せの言葉だ。
彼なりに心配をしてくれたのだろうが、無理に着飾ろうとしたせいか、最終的には意味不明。
格好いいことを言おうとしたのに、最後がぐだぐだで締まらない。
そこが十代らしいところであり、だからこそそんな十代が堪らなく愛おしい。
あーもう、わかんねえ、と投げっぱなして強くパラドックスを抱きしめる十代。
持て余した手、この手でこの小さな少年を抱きしめてもいいのだろうか。
どうしようもなく汚れた自分が、この清らな魂を抱いていいのだろうか。
自分の咎をなかったことにするために彼らの世界を壊そうとしている自分が、すがっていいのだろうか。
惑う腕は、収めるべき場所を探して彷徨う。
抱きしめたいという本性と、諌める理性は拮抗し腕の在り処を取り合う。
抱きしめたい、抱きしめられない。
グラグラと揺らぐ思考は寝起きのままに揺れ、気がつけば思いのままを口走っていた。
「十代……、抱きしめても、いいかね。」
真面目なその言葉に、意外性をつかれまたもや吹きだす。
こういう生真面目なところが堪らなく可愛くて、そこが自分と違っていて面白い。
十代は笑って、優しく答えた。
「ぶっ、…ばかだな。いちいち聞かなくったって良いに決まってるじゃねぇか。
いつでも俺はパラドックスとこうしてたいんだぜ?」
ほら、と促して、青年の二の腕を押してやる。
勢いにつられ、拮抗して動けなかった腕が少年の背中に回された。
言葉に甘えて、ぎゅうと強めに抱きしめる。
密着した体から与えられる熱は、どこか心を安心させる要素を持っていて。
優しい熱に身を任せ、パラドックスはゆっくりと目を閉じるのだった。
******
おしまい!
うーん、うん。十パラと言い張りたいな!
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