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パラ十を書こうと思ったけれど、遊アキが先に来た。


正直遊星さんとアキさんがお話しない…orz
すれ違い愛が遊アキだと思います。私だけか^q^


遊星さんの性格の崩壊と、ジャックの扱いは………ごめんなさい。


下のタイトルからお願いします~^^



忘れ物。




「いい天気だな、今日は最高のハード●フ日和だ。」

眩しい太陽に目を細めながら、楽しそうに遊星はつぶやいた。



こもりきりでD・ホイールのエンジン開発に勤しんでいたこの数週間。
寝て起きて、D・ホイールの調整、実験、調整、実験、就寝の繰り返し。
鬼柳の元へ行っていた間のブランクも相まって、外出の時間など取る暇もなく掛かりきって。
気がつけば、もう何日も日の光を浴びずに過ごしていた。


見かねたブルーノ・クロウはもとより、唯我独尊なジャックすら遊星の不摂生を心配する始末。
もともと職人気質な性質ではあったが、これでは病的だ。



…というわけで三人が考えたのが、「パーツの買出し」という大義名分だった。
適当に足りなくなりそうなパーツをメモ書きし、手渡して。
途中でジャックが書き足した嗜好品を真っ黒に塗りつぶすというイレギュラーもあったが、
計画に遊星が気付くこともなかった。



何も知らない遊星は、久しぶりのジャンク屋にクールな心を躍らせていたからだ。




そして、その躍った心は。




「何か忘れているような気もするが…。行くか。」


忘れ物にも気付くこともない。








赤のバイクをかっ飛ばして、行く先はジャンクショップ。
遊星ほどの腕前になれば、正規品のほうが扱いにくく。
弄れば汎用性を見せるジャンクのほうが勝手がいい。
適当においてあるカートを転がし、商品を物色する。

ボルト、ナット、オシロスコープ用のプローブ、エトセトラ、エトセトラ。
凡人には無用に見えるようなコードやケーブルも、彼にとっては大切なパーツたち。
一つ一つ慈しみをもって選別しながら、ふと、忘れ物をしていたな、と思い出す。


アレは一体なんだっただろうか、何だか大切な約束だったような気もする。
スパナを軽く手で回しながら、記憶を辿る。
双子とのデュエル講座は日曜だし、ジャックとデュエルするのは多分その辺。
隣のフレックスヘッドレンチとどっちが良いかな~と悩みながら、思い出せないもやもやに
とらわれ始める。


ブルーノとは今日にも話すだろうから急ぎではないし、クロウのマッサージは寝る前。
誰と何の約束をしたのか、抜け落ちている。
決して忙しかったとは思わない、だが、機械弄りに夢中で生返事をしたこともしばしばで。
カーリーの取材のアポを忘れたときは流石に怒られたなあと、違うことばかりが思い出される。

普段なら、思い出せないものは思い出すまで放っておくが、今日だけは違う。
何か、思い出さなければならない、と感情を掻き立てるものがある。
この衝動は一体何なんだろう。




ふと、かごの中のボルトに目が行く。
そう、そういえばこんな風にぐるぐると……ぐる、ぐるぐる?



ボルトの目を追いながら、少しずつ、思い出す。
赤い髪の、ツリ目の、厳しくも優しい、少女。





「アキ…。」




ぽつり、と答えが零れ落ちる。
一つの答えが出てしまえば後は芋づる式。
確か今週はデュエルアカデミアの試験期間で。
苦手な物理を教えろとごねられて、今日の昼過ぎから物理の勉強をする予定だったのだ。



「しまった、今日はアキに物理を教えると約束していた…。」



思わず手に握っていたスパナが落ちる。
金属のかごに当たって、ガン、と騒がしく跳ねた。
思い出した途端に、溢れる汗。
喉がからからに渇いて、明らかに動揺している節が見える。


一体どうしたものか、完全に忘れていた。
今は、昼もだいぶ過ぎて、アキはもう来ているはず。
久々のジャンク屋だと思って遠出したのは失敗だった。
今から飛ばして帰っても、たどり着くのはおそらく夕方。


今ごろアキは怒っているだろうか、帰った瞬間サイコパワーによるソーンウィップのお仕置きが
待っているだろうか。
それはそれでいい、なんて妄想はとりあえず置いておいて。
気付いた瞬間、そわそわと落ち着かなくなる遊星。



仕置きが怖い訳でも、怒られるのが恐ろしいわけでもない。
ただ、彼女の顔に暗い影を落とすことが堪らなく嫌なのだ。
折角最近良く笑うようになったというのに。
他者とかかわりを持とうとしているのに。
そんなアキを曇らせることが嫌で嫌で。

そうなると、ジャンク屋、なんていってる場合ではない。
紙に書いてあるメモを見ても目を滑って。
いつもの冷静さを、欠いてしまう。



ジャンク屋は行こうと思えばいつでも行ける。
でも、彼女の心は後で修復、なんて思うことは出来ない。



まだ買えてない物があるが、それはクロウたちに謝ってしまおう。





「帰ろう。」




カートをしっかりと握り締めて、レジへと向かった。




**   **




セキュリティの交通規則に違反しない程度に飛ばして、ねぐらへと戻る遊星。
適当に駐輪して、ヘルメットを雑把に脱ぎ捨てる。
空はうっすらとオレンジ色に変わっていた。

「お、何だ遊星。やけに早くねぇか??」
エンジン音を聞きつけたのか、クロウが吹き抜けの上から声をかける。
ああ、と小さく返事をして、遊星は慌てて階段を上る。
その機微にさとく反応して、青年は肩をすくめた。


「アキの奴ならお前の作業部屋にいるぜ??…ったく、約束してたんなら最初に言えよな。
大変だったんだぜー?お前がいないと知るや、八つ当たりでジャックにソーンウィップだ。」
ねぐらでの顛末に、やっぱりと喉を鳴らす。
ジャックめ何て美味しい役を、なんて決して思ってはいない。
急ぎ足で、自分の作業部屋に戻る。
途中でジャックに呼び止められて文句を垂れられそうになったが、「アキと真面目な話があるんだ」
で一蹴してきた。




ガチャリ。




「あ、遊星おかえり。」
振り向いて挨拶するのは、ご本人…ではなくブルーノ。
にこにこと笑う青年は、ちょいちょいと隣で机に突っ伏したものを指す。


突っ伏しているのは、赤い制服。
こぼれる真紅の髪は細く肩に垂れていた。
それは十六夜アキ本人で。
気持ちよさそうに上下する肩は、彼女が眠っているのだと知らせていた。


「アキはどうしたんだ?ブルーノ」
「うんと、遊星がいないと知るなりジャックにソーンウィップをかました後、しばらく
自分で物理と格闘してたみたいなんだけどね。
…ボクがお茶を持ってきたときにはこうなってた。」



なるほど、机においてあるカップがまだなみなみと残ったままだったのはそういうわけか。
帰ってきたなら行くね、と朗らかに手を振って部屋を後にするブルーノ。
ぱたん、と控えめに扉が閉まった。


さっきまでブルーノの座っていた椅子に腰掛け、改めてアキを見る。
ノートには可愛い字で描かれた「遊星のカニ!」という言葉と、小さなカニ。


「…失礼だな。」
苦笑しながら、誘われるように頭をなでる。
絹のような細い髪が、さらさらとこぼれた。

あどけない寝顔で眠る少女は、まるでスリーピングフォレスト。
それはきっと彼女が植物族モンスターメインのデッキ使いだからだけではない。
美しいからこそ、身を守る棘が痛々しい。

いつぞや、自分は彼女のすべてを受け止めてやると言った。
だが、本当にアキのすべてを、いま受け止めてやれているだろうか。
最近はずっとD・ホイールにばかりかまけて、ないがしろにしていなかっただろうか。



受け止めてやるといった言葉に、嘘偽りはない。
痛ましいほどに棘で自分の心を守っていた彼女のすべてを受け止めて。
その棘がなくても、アキ自身が安心して過ごせる世界にしたい。
そのために棘に苛まれることなど、造作もないことだ。



「う…んんっ…」
もぞもぞと、少女がぐずる。
起きるだろうか、と手を離してみる遊星。
だが少女は頭の位置を変えて、再び浅い吐息を繰り返す。



「ん…遊星の……ばか。」


寝言で文句を垂れるアキ。
一体どんな夢を見ているんだろうか。
夢の中で、俺を必要としてくれているのだろうか。



「……ああ、俺はばかだな。」




ふわりと、青年の頬もほころぶ。
機械に向ける慈しみとは、まったく違った慈しみを持って。

遊星は、無防備なアキの額に軽く、キスをした。



*************





うふぇえええ、だめだな。
最近書かなかったから、文章めっためた^q^
劣化しか味わってねえぜちくしょう。
うまくなりてぇ…。
遊星さんが若干Mなのは仕様です。
ジャックの扱いがひどいのは、愛です。

今度は遊アキなんだけど青野さんとアキさんがちょっと仲良くしててもやもやする遊星さんが書きたい。
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